だから何ですか?






「からかうなって。気があって仕事の息も合うってだけだから」


「またまたぁ、もう秒読み段階とかじゃなくて?」


「あーもう、煩い煩い。盛り上げられて変に暑いだろ。熱冷ましついで一服行ってくるから」


「あはははは、逃げんなよ~」



よし、


自然な感じに場を壊さず抜けられた。


そんな成功感に満ちたのは一瞬で、席を立てば自然と探すのはただ一人。


煙草か?と思いつつも考えてみたら防寒着もなしに動いていたわけだ、必然的に化粧室方面の方が有力だろうとそちらに足を動かしていく。


自分達の席からはやや離れた位置にあるそこ。


目の前に来たけれどさすがに女子トイレ内に入れるわけじゃなく、少し離れた通路で壁に寄りかかってその姿を待っていれば。



「・・・・何してるんですか?」



角を曲がるなり目に入った俺にそんな第一声を浴びせた彼女が静かに距離を詰めてくる。


そんな彼女に何を返せばいいのか珍しく一瞬迷ったのち、



「・・・・過去形だから」


「・・・はっ?」


「ほら、あっちで盛り上がってた恋愛話、」


「ああ、伊万里さんと小田さんが実は良い空気醸し出すほど仲が良いし疑わしいってやつですか?」


「しっかり聞いてるんじゃねぇか。しかもなんか若干盛られた解釈だな」


「聞いてますよ。何をしていても周りに意識を置くのは秘書のあるべき姿勢ですから。それと、盛ったんじゃなく私個人の見解です」


「・・・・・」



えっと・・・どこから触れてみたものか。



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