だから何ですか?














何で・・・

何で一服しに行くのにこんなに緊張しなきゃいけないんだ。


そんな事を浮上するエレベーターの壁に身を預けながら思って、『あ~』っと抑揚のない声を響かせ目蓋を閉じる。


いつものこの時間が待ち遠しくて時間が経つのが遅く感じた。

それでも一抹の不安で亜豆が来なかったらと思うとその時間が恐くて早くて。


真逆の感情がせめぎ合ってどうも集中出来なかった午前の仕事。


特別急ぎのモノがなかったのが救いだろうか。


それにしても・・・来るだろうか?


いつもであるなら先に俺が煙草を噴かし、その頃合いに亜豆が顔を出しての流れ。


もしこれで顔を見せてくれなかったら仕事が理由であってもさすがに落ちるぞ。


と、そんな葛藤の合間にも浮上を続けていたエレベーターが動きを止めて、その感覚に目蓋を開けばRの表示。


まぁ、なるようにしかならないだろうけど。なんて、自分に言い聞かせ体を起こして扉の前に。


こんな悩みに尽きなくとも寝不足の体は正直で、込み上げてきた欠伸を受け止める様に口元に手を添えて、ゆっくり開かれた扉の方へ視線を動かした。



「・・・げっ、」


「・・・・・・フハッ、酷い顔。薄らクマ出来てる?そんな眠れぬほどのハードな仕事でも持ち帰ってたのかな?伊万里 和くん?」


「いけしゃあしゃあと・・・」



お前だって問題の種捲きまくって刈り取りもせず放置してるんだよ!!




< 211 / 421 >

この作品をシェア

pagetop