だから何ですか?
開口一番に厭味ったらしい笑みでおちょくりに来た姿には心底うんざりもするし、先日の苛立ちも当然継続。
会社であるここではこの前の様なラフな姿ではない、キッチリと品のいいスーツに髪も流す様にセットされて。
出来る男見参という感じだろうか?
それでもふわりと纏うのはさっきまで吸っていたであろう煙草の香りで、一服終わって戻る為にエレベーターを待っていたのだろう。
そうして登ってきた俺と鉢合わせしたわけだ。
しかもご丁寧に理由のわかる俺の状態をスッとボケた感じにからかいに。
そんな姿に不満を抱けど相手にする程不毛になるのは目に見えている。
相手にしてられるか。と身を出して、海音の横をすり抜け始めて数歩で予想通りに響く声音には舌打ち。
「迷走頑張って、」
そんな一言に威嚇するように振り返ったけれどその姿を捉えたのは一瞬。
閉りかけるエレベーターの扉の瞬間に、こちらににっこりと手を振っていた姿の憎たらしい事。
そもそも、何でわざわざ屋上に吸いに来てんだよ!暖かいけどヤニ臭い喫煙ブース行けよ!寒気にあたって風邪引いて寝込め!!なんて、子供の様な悪態を心でつきながら屋上への短い階段を上がり始める。