だから何ですか?





・・・筈が。



「っ____!?」



唇が触れたのは亜豆の掌の感触で、更に身を離す様に押し返されて。


思ってもみなかった反応に手に持っていたチョコレートがパラパラと数個地面に散らばった。


驚愕に満ちながら捉えた亜豆は俺と同じように驚愕に双眸見開いた姿で・・・いや、僅かに・・・怯んでる?



「あ・・・ずき?」


「っ・・・・」



えっと・・・何で拒絶された?


会社だから?

一理あるけど今まではした事あるし。


照れた?

それこそ今更だし、しかも照れてるような表情に見えない。


軽く思い詰める様に、何かを堪える様に黙した姿に名前を呼びかければ、ハッと我に返ったように俺の口元から手を離し、目を泳がせてから自分の口元を抑え、



「せ・・・・静電気が」


「・・・はっ?」


「仕事があるので、また、」



言うや否や・・・くるりと身を返しさすがに早い間隔のヒール音響かせ扉の向こうに消える姿。


それを間抜けにも呆けて見送って、パタリと扉が閉まった瞬間に現状を確かめる様に視線を落として散らばっているチョコレートが目に入る。


いや・・・

いやいやいや・・・、


亜豆・・・・お前、

嘘つくな。


嘘が下手すぎてなんか無駄にパンチがデカい!




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