だから何ですか?
自分の吸っている銘柄じゃない。
引き出しの中には常に手付かずな自分の煙草をストックはしてあるのだ。
その箱の横にチョコンと2本。
そうして隣に並ぶ未開封であったはずの煙草は開封されて、残された煙草の本数と同じ数だけ抜き取られている。
またやられた。
ストーカーかよ。
可愛い悪戯だと笑えるのは犯人が亜豆だと分かっているからなのか。
でも好きでもない相手からされたら悪寒が走りそうな悪戯だよな。
そんな事を思いつつもクスリと笑い、今日もやはり顔を合わせることは叶わないのかもな。と小さく諦めたように息を吐きパソコンに意識を戻した。
亜豆と顔を合わせたのは・・・月曜のあの時が最後か?
同じ社内でもフロアや役職が違えば早々顔を合わせることはないのだ。
それを改めて理解したこの数日。
なのに・・・。
「あはは、露骨に嫌な顔するようになったな和は」
「お前が俺をおちょくるからだろ」
もうすでに反射的だ。
亜豆は居ないだろうと思いつつも習慣化された一服タイムに変化はない。
こういうのも体内時計と言うのか、だいたい決まった頃合いに煙草を吸いに屋上へ向かう。