だから何ですか?
今日だとてそれは変わりなく、寒い事は理解していたからコートを羽織って扉を開けたのだ。
そうして捉えたのは誰もいない屋上ではなく、同じようにコートを羽織って煙草の紫煙を漂わせている海音の姿。
その瞬間に『うわぁ』と表情を崩せば、それを期待していたとばかりに笑って弄ってきたのが今の流れ。
「何でわざわざ俺の一服タイムに敢えてこの場所に来るんだよ」
「いや、凛生がここ数日この時間には吸いに来てないから寂しいかなぁって」
「有難迷惑なんだよ」
ふざけんな。
だったら一人の方がよっぽど気分よく吸ってるぞ。なんて舌打ち交じりにも隣に並んで、口に咥えた煙草に火を着けようとライターを探してポケット漁っていると。
「火、やろうか?」
「・・・・ふざけんな。だったらせめてジッポ寄越せ」
なかなかライターを取り出せない俺に煙草を咥えたまま顔を寄せてきた姿に後退して嫌悪丸出し。
何が悲しくて男同士でそんなつけ合いしなきゃなんだと目を細めれば、その反応が楽しいと言いたげにクスクス笑ってジッポを投げ渡してくる海音。
最初からこうやって渡せよ。なんて思いながら遠慮なしにそれを使い、ジリっと先端が赤くなったのを確認すると『んっ』と小さく声を響かせ海音へと返却。