だから何ですか?
ポリポリと頭を掻いて、とりあえず鞄が置けないと手で横にずらして。
さて、置こうとチョコレートのあった場所に視線を戻せば新たに目に入ったものに意識が集中して不動になった。
山積みになっていたチョコレートの下に隠す様に埋まっていたらしい付箋のメモ。
【昨日はすみません】
の短文の謝罪と・・・何だコレ?
豆?
言葉の横に添えられるように描かれた豆の絵には一瞬ポカンとしてしまうも、ハッと理解してしまえば思わず小さく噴いてしまった。
「あ~・・・【あずき】か」
小豆と亜豆をかけたイラストだと理解すれば笑うしかない。
本音を言えば、昨日のあれから当然の様にまったく音沙汰がない事にはやや不満を抱いていて、酒の入った後にはまったく呼び出しのない携帯に苛立って放り捨てる事数回。
でも、一応は気にしてくれていたわけか。と、付箋のメモを手に取って、文字を眺めながらコーヒーを口に運ぶ。
少しは気怠い感覚が緩和したとそのメモを引き出しの中に仕舞い込んで、横に退けていたチョコレートを瓶に移し始めていたタイミング。
「っ!?」
いきなり背後から首に巻き付いてきた腕にはビクッと体が跳ねあがる。
何だ何だ!?と思っている間にもブースの更に奥に追いやられ、酷く興奮気味に覗き込んできたのは井田の姿。