だから何ですか?
とりあえず亜豆が避けていたような理由は明確になったような場面。
それでもストンと納得するにはまだまだパーツは足りずにスッキリしない。
むしろ、安堵よりも強くあるのは・・・。
「っ・・・」
「・・・・伊万里さん?」
俺の胸に頭を預けていた亜豆に、今度は俺が脱力したように体を折り彼女の肩に頭を預けて息を吐く。
まだ決してもどかしさの解消となっていない息を。
そんな俺の行動に訳が分からない言いたげな声音で俺の名を呼び、確かめる様に頭に触れてくる指先は柔らかく優しい。
「・・・訳・・わかんねぇよ」
「伊万里さん?・・・えっと、」
「悪い・・・俺には必要」
「えっ?」
「『好き』だけじゃ足りねぇ。亜豆と違って純粋じゃねぇから、好きの一言一つで揺るがなく在れねぇんだ」
「・・・・・」
「好きだから・・・、亜豆には必要ないと思う事でも全部知りてぇ。つまらない事でもいい、くだらない事でも、こんなの知っててもしょうがないと思う些細な事でもいい」
「伊万里さん、」
「少しでも多く・・・いや、独占してぇ、」
「・・・・」
「亜豆の事が・・・好きなんだ」
なんて今更な。
もう幾度となくこの感情はぶつけあった筈だと言うのに、こうして好き以外の要求をしたのは初めてだろう。