だから何ですか?


言い切ったという様に相変わらず名残惜しさも見せずに背を向け歩きだす姿は何事もなかったようにブースの外へ。


慌ててその姿を追って通路に身を出すも特別追いかけ捕まえることもしない。


ただ・・・いつもだ。


いつもこうしてドライに立ち去る彼女の後ろ姿を見送る。


仕返しの様に振り回し返したと思っても最後の最後で必ずしてやられ、去って行く後ろ姿に名残惜しく思うのは俺ばかり。


今も・・・。



「っ・・・してやられた」



口の中が甘ったるい。


まさか自分の言葉、やり方で切り返されてもどかしさに沈むなんて。


さっきまで・・・確かに組み敷いて啼かせて優位に立っていたのは俺の方なのに。


それに、



「気にしてないって・・・なんだよ」



むしろ、気にしろよ。


気になってる自分を自覚しろよ。


気にして気にして、取り乱すくらいの姿を見せてくれてもいいのにな。


はぁっ、と何とも色々もどかしい溜め息を吐きながら片手で頭を抱えて、そんな間にもいつまでも消えそうにない甘ったるい余韻が口に広がっている。



「・・・俺が調教されてどうする」



そんな事を呟きつつ決して悪い気はせず、僅かに口に端を上げながら打ち合わせ室に足を向けた。






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