だから何ですか?



「亜豆っ、」


「・・・・・おはようございます」



エレベーターを降りた瞬間、どうやらタッチの差で隣のエレベーターから下り屋上への階段を上りかけていた姿に声を張る。


そんな呼びかけに静かに振り返った姿が全く表情を動かすことなく当たり前の挨拶を落としてくる事には苦笑い。


相変わらず亜豆な・・・。


それでも無視して先に行くことはなく、階段の中盤で俺を姿を待って止まっていてくれることには足早に進んで亜豆の数段下で立ち止まる。



「・・・新鮮」


「だな、」


「「目線が一緒」」



ほぼ同時に感じた事を口にして、その言葉まで一致すればいくら無表情の亜豆でも小さく口の端を上げてくる。


そんな亜豆の隣に並ぶと頭に手を添え、『行くぞ』という様に促し階段を上る。


顔を見るのはこの前の微妙な時間以来。


結局自分の多忙さに勤務時間に顔を合わせることは叶わず、当然自分スタイルを変えてこない亜豆が電話に応答してくれる筈もなく。


今日だってたまたま朝は余裕が出来たからこうして屋上に足を運んだのだ。



「今日は少し余裕ありですか?」


「まぁ、今だけな。もう少ししたら現場行ってくる」


「小田さんと仲よくですか」


「・・・あーずーきー?」


「すみません。予想外に顔見れたから浮れてつい意地悪が、」



その無表情で浮れてんのかよ?


分かりにくいなぁ、おい。


と、思うもそんな一言にあげられる自分がいるから困ったものだ。



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