だから何ですか?



それでもこんな風に冗談めいて口にしてくるという事は本当に気にしてないという事なんだろうか?


『別に、気にしません』


その言葉で締められたのが水曜日。


そして今日が金曜日。


一応会えない時間仕事に勤しみながらも亜豆の本意はどちらかと思考は巡らせていた。


でも当人がいないその疑問に答えなんて出る筈もなく、こうして当人を前にしてもやっぱりよく分からない。



「とうとう明日ですか」


「ん?」


「イベント。今日は本当に大詰めでしょう?」


「ああ、そっち」


「そっちとは?」


「俺は初デートの事かと」


「それは由々しき発言ですよ?」


「あっ?」


「仕事馬鹿の伊万里さんにあるまじき雑念」


「お前なぁ。もう少し楽しみにしてますって反応ないわけ?」



寒い外気に身を晒して、隣り合って煙草に火を着けお互いに一服。


そうして口から寒気に煙を逃したタイミングに亜豆の口から発せられたのは明日の話題だ。


相変わらず恋に浮れたお嬢さん的感覚でない亜豆の発言には冗談も混じっているから今回はマシだろうか。


それでももう少し楽しみな素振りも見せてくれればいいのにと僅かにも心では思いながら煙草を咥えて吸い込んだ。




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