だから何ですか?




クリスマスのせいか道は混み軽く渋滞と言えた道のりを経て、目的地に着いたタイミングに確認した腕時計は22時を刻む。


無情な時間経過にため息をつく暇さえ惜しく、タクシーを降りるとパタパタ走り抜けて待ち合わせの広場に急ぐ。


時間も時間、勿論デートスポットであるその場所はイルミネーションで彩られているからカップルも多い。


そんなカップルを横目に走り抜け、ようやく観覧車乗り場もある広場について足を止め、乱れた呼吸を整えながら周りを見渡す。


吐き出す息が寒さで白さを明確に漂って、空気に触れていた顔は痛いほど冷たいというのに身体だけは熱を持つ。


そんな状態でぐるりと視線で広場を一周。



「亜豆・・・」



求める様にポツリと零した名前の姿は見当たらず、再度視線を動かしても捉えるのは夜景を楽しむカップルばかり。


希望とばかりに取り出した携帯にも反応は一切なく、さすがに頭に浮かんだ答えに力なく笑って頭を抱えた。


帰ったか。


そりゃそうだ。


それが普通の反応だろう。


誘っておいて連絡も無しに遅れて、駆けつけたところですでに2時間も遅刻。


こんな寒い中で待ってる筈もない。


怒って帰っても当然。


それでも・・・、



何でか・・・待っていてくれる気がしてたのに。



いや、そんな思い込みは俺の驕りか。


はぁっ、と自分に失望の息を吐き、ゆっくり振り返って観覧車を見上げた。

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