だから何ですか?
「それにしてもビックリでしたね」
「えっ?」
「ほら、社長と亜豆さんです。一緒にご飯食べに行くほど仲良いんだなって」
「ああ、うん、・・・そうだな、」
程よく距離の離れた頃合い。
どちらの会話も他のざわめきに掻き消され届かないであろう距離になったタイミングにこそっと俺に驚きだと示してくる小田に一応の合いの手。
『仲が良い』と括られた2人を確かめる様に視線を走らせたけれど、その姿はどうやらもう店の外に出てしまったらしい。
この後もどこか別の店に行くんだろうか?
何でか意図とせずそんな疑問がフッと浮かんだ自分にも驚かされる。
別にどうでもいいことであるというのに。
「でも、なんか絵になるお似合いの2人だったから本当にその内噂が立っちゃいそうですよね」
「・・・似合ってねぇだろ」
「・・・えっ?」
「いや、何でもない」
うっかりだ。
ほんの少しだけども感じの悪い声音で否定を口にしたと自分でも気がつき自己嫌悪。
見事どこか驚いたような反応を見せた小田に、取り繕って口の端を僅かに上げて問題ないのだと示しておいた。
正直、本当にさっきから自分自身に驚き続きだ。