だから何ですか?
「まぁ・・・計算と言えば計算なのか」
「どう考えても計算だろ。性質がわりぃ。『好き』だと言って中途半端に気を引いて、なのに行動はまるでそんな素振りを見せてこねぇし」
「成程、」
「なのに、ことあるごとに『好き』『好き』言葉だけはアピールしてくる。好きだから何だっつーの」
本当、その疑問だけだ。
最初から付きまとう彼女への葛藤。
そんな言いきりの好意の言葉にものの見事に支配され振り回されている現状。
しかもそれに苛立って嫌悪を示しても逆に『意識されている』と喜ぶ反応ときたものだ。
「本当に性質が悪い駆け引き女」
これも何度目の溜め息なんだか。
ここ数日イライラが増して煙草の量も増えたんじゃなかろうか。
もうこんな不毛な事で悩んで頭を使う事はやめたいのに、放り投げたゴミがゴミ箱から外れる様に意に反して自分の中に必ず残る。
そして、これは昨日からの新しい付属。
「っ・・・」
『好きですよ』
浮かぶのは・・・もどかし気なのに切に俺を見つめた亜豆の姿。
思い出してしまえばゾクリとこれまた中途半端に与えられた接触の記憶が肌に走る。