だから何ですか?
一体・・・話していたのは誰の話題であったのか。
そんな事まで思ってしまう程の俺が思っていた亜豆のイメージとの相違。
煙草が吸えなかった?
嘘だろ?と思って浮かぶのはいつだって馴染んだように煙を噴かす彼女の姿で。
身に沁みつくほど、何年も吸っているのだという様な姿であった。
そう思い込んでいた。
クールでドライで、仕事も出来て、計算や駆け引きも出来る大人な女だと。
でも、それは勝手な思い込みの虚像であって、海音が言うのが本当の彼女であるなら。
感情に素直で、見返りも期待しない、ただひたすらにピュアな自己満足で・・・、
ただ・・・俺が『好き』なだけ。
「っ・・・・嘘だろ・・・そんなの、」
狡いじゃないか。
純粋すぎて、その純粋さが勝手に駆け引きになってしまっていて。
勝手に・・・振り回されてしまう。
「性質が悪いなんてもんじゃなさすぎる・・・・」
参った。
そんな感じに脱力して『ハハッ』と乾いた笑い声を小さく漏らす。
気がつけば吸わずに放置しすぎた煙草は灰と化していて、それを惜しげもなく灰皿に潰すと静かに息を吐いて冷静の回帰。