湖にうつる月~初めての恋はあなたと
相原さんの強さは彼を信じる強さだと感じた。

信じるってことは、きっと自分を信じることにも繋がっていく。

澤井さんにも『もっと自信を持った方がいい』と言われていたっけ。

そして、彼が私の自信を取り戻してくれると。

もっと彼を信じてみよう。それが、私の強さになるはず。

その夜、随分遅くまで相原さんと飲み明かした。

話しながら自分の気持ちも整理できたし、近いうちに、澤井さんに連絡をとってきちんと自分の気持ちを伝えなくては。

だけど、気持ちが行ったり来たりするこんな情けない私を澤井さんはまだ好きでいてくれるだろうか。

そんなことを考えていたら、急に体中の力が抜けて、相原さんが敷いてくれた布団に倒れ込むように寝てしまった。



私がスマホに何度もかかってきていた電話に気付いたのは翌朝のことだった。
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