神獣の花嫁~かの者に捧ぐ~
ずかずかと物怖じせずに部屋に踏み込んできた、直垂(ひたたれ)姿の男。
顔かたちは同じはずなのに、つい先ほどまで咲耶が知っていた者とは、まるで違って見える人物──。

「あなた……!」
「悪く思うな、ちょっとした戯れだ」

驚く咲耶をあざ笑うのは、咲耶に対し、『虎次郎』と名乗った男だった。





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