神獣の花嫁~かの者に捧ぐ~
この綺麗な顔と長い手指、低い声音がつむぐ一夜。ふたりの共寝の意味が、変わる日。

(……って! 私ってば、ナニ考えてんのよっ!?)

よこしまな妄想をしかけて、咲耶は身を縮めて頭を横に振る。

「咲耶? 先ほどから一体どうしたのだ? そんなに興奮していては、眠りにつけないのではないか?」
「こ、興奮なんて、してないわよっ。ってか、誰のせいで、こんな気分になってると思って……」
「誰のせいなのだ?」


いぶかしげに見られ、咲耶はハクコの言葉通り【眠れない夜】を過ごすことを悟ったのだった……。




< 65 / 451 >

この作品をシェア

pagetop