私を救ってくれたのは君でした。
「ただいま」

誰もいない家に私の声が響く。
はぁ、さっきまでの嬉しさはどこへいってしまったのだろう。なんか、現実に引き戻される。私は早足で自分の部屋に駆け込んだ。

そして、スマホを取り出した。スマホで検索歴をゆっくりみていく。
こうしてみていると、私がどれだけ死にたかったのかが伝わってくる。
『自殺名所』や『自殺サイト』などを調べていた。今は、『生きる』ことについて調べたりしていて、生きることに前向きになっている気がする。
なんでだろうなぁ、鶴谷くんが私のことを助けてくれるって信じてるのかな。無理ってことも、分かってるはずなのに。
私は、検索歴を全て除去した。私も、生まれ変われたりするのかな……?

私は荷物を置いてまた家を出た。
明日着ていく洋服買おうかな。せっかくだし、今まで使わなかった有り金で可愛いもの買っちゃおうかな。今まではパーカーくらいしか買わなかったから、結構お金は溜まってるんだよね。せっかくだし、奮発しちゃおう!
私は万札を持って家を飛び出した。なぜか私はテンションが上がっていた。明日も、鶴谷くんと遊べるからだろうか?
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