私を救ってくれたのは君でした。
「なんかこの前外で見かけたって友達が言ってたからさ」

この前のか、やっぱり見つかってたか。

「わかんないよ」

「そう」

その後は会話が続かず沈黙が続く。

「もし進展あったら教えてね♪」

「うん」

「天宮!」

校門で誰かが私の名前を呼んだ。
その人は、バイクに乗っていて、ヘルメットを右手に左手で手を振る。この声は、鶴谷くんだ。

「ふふっ、じゃあね雪希ちゃん」

「うん」

綾ちゃんはひとりで帰っていった。

「乗ってくか?」

「乗らせるつもりでしょ、乗るよ」

鶴谷くんはヘルメットを私に渡す。私はそれを頭につけると、鶴谷くんの後ろに乗った。

「しっかり捕まっとけ」
< 67 / 82 >

この作品をシェア

pagetop