私を救ってくれたのは君でした。
「……わかったわ、少しだけよ」

そう言うと、お母さんは椅子に座った。

「お母さん、唐突に言うわ。私に暴力をふらないで。暴言吐かないで。男の人を連れ込まないで。私を大事にして。笑って。変な仕事やめて。
……あと…………私のことを……娘をしてみて……」

「やだね」

そのひとことと同時に顔にお母さんの拳が当たった。

「あんたに権利なんてものは存在しない」

「痛いっ、やめて!」

「あんなに拒否権なんてないの。黙って殴られてなさい」

「こんなのっ!お母さんじゃない!」

「よぉくききなさい!あなたははね!誰にも必要とされていないの!わかる?!」

「えっ……」

そのひとことが、私の胸にズキンッと刺さった。私が、誰にも必要とされていない?
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