私を救ってくれたのは君でした。
「ええ!そうよ!」

その瞬間、私の全てを否定されたようで胸がキュウっと締まった。喜怒哀楽の感情がごちゃまぜになる。悲しい、いやだ、そんなこと、あるの?
涙が溢れ出てくる。それと同時に吐き気がする。胸が苦しくって苦しくってたまらない。私は地面に手をつく。声に出ない悲鳴をあげる。
鶴谷くん、鶴谷くんは私に言ったよね。人は、何かしらの目的を持ってうまれてくるって。私は、お母さんに殴られるためにうまれてきたの?
ねぇ、教えてよ…鶴谷くん。

『天宮!』

ふと誰かが私の名前を呼んだ。鶴谷くんだろうか?

『実の母親に人生ずっと縛られていいのか?!』

「いやだ!」

『今回は!俺がいる!』

鶴谷くん……。ありがとう。私は、今回は、絶対に、逃げないよ!天宮雪希、絶対に負けない!そんなの!私のプライドが許さないもの!

「お母さん!私はあなたのことをずっとお母さんだと思ってる!」
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