副社長は花嫁教育にご執心


「どうしよう……」

今日と明日は、とりあえず休みだ。でも、その後は? いずれ、絶対に仕事に行かなければならない日はやってくるのに。

そう思うと、また胃の中がモヤモヤとしてきて、思わず着ているTシャツの胸元をぎゅっとつかんだ。

……やめよう。とりあえず、仕事のことを考えるのは。

そう、さっき久美ちゃんも言っていたけど、明日はクリスマスなのだ。しかも灯也さんと一緒に過ごす、はじめてのクリスマスだ。

このお休みはありがたく利用させてもらって、彼が楽しみにしているお料理でも、特訓する時間に充てよう。





「……で、俺を呼び出した、と」

「ごめんね? だって、お料理上手な人がほかに思い浮かばなくて」

およそ二時間後、私は弟の遊太をマンションに招いて一緒にキッチンに立っていた。

料理もひとりじゃ上達しない。よし誰か巻き込もう。そうだ公務員は日曜休みだ。遊太ごめんねデートがなければでいいから!というわけで、家に弟を呼び出したのだ。

幸い、可愛い彼女とのデートは明日に予定していて暇だったからと、快く来てくれたのだけど。


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