姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
翌日、姫花は久しぶりにエリーの校門をくぐった

自由登校になっている為、周りは1,2年生のばかり・・

神路日向の事故死は、日本のマスコミにも大きく取り扱われ、エリーでも異例の全校集会にて、その旨が生徒に知らされていた

日向と姫花の事は、公になっていた分、姫花が登校してこないことに色々な憶測が飛び交っていた

その為、姫花の登校は、生徒を驚かせ、今までとは明らかに違う眼差しで見られていた

そんな中でも、姫花は、背筋を伸ばし、前を向き、早足でもなく、ゆっくりでもなく、一歩ずつ堂々と歩いていた

そして、そのまま理事長室へ向っていった

トントン・・

「はい、どうぞ・・」

「失礼します」

理事長室に入った姫花は、一礼し、顔をあげた

「大倉さん、お久しぶりね・・ 色々大変だったわね・・ どうぞ、掛けて?」

と理事長は姫花をソファに座るよう促した

「長い間、お休みをしてしまい、すみませんでした・・」

と姫花は再び頭を下げた

「いいのよ・・ 後で、向こうでとった診断書とレポートを提出しておいてね 卒業式まで少し、登校してもらう必要もあるけど・・ それは大丈夫よね?」

「はい・・ あの・・写真集の件なんですけど・・・」

そう、【姫☆組】の出版を提案したのが理事長だった為、今回の2ndも同じように発売することになっていたのだが、今回の件で、姫花が発売を延期したいと申し出たからだ

「大倉君から聞いているわ・・ 諸費用の事、既に印刷済みのものの保管の事、全て彼が処理するそうよ・・ だから学園には一切負担はかからないの・・ だから、気にしなくても大丈夫よ? 本当に、いいお兄様ね・・」

と理事長は笑った

姫花は、ガクから何も聞かされていなかったので、理事長の言葉に安堵した

理事長室を後にした姫花は、職員室へ行き、診断書とレポートに加え、潤也に頼まれていた書類とレポートも提出し、その日はそのまま学校を後にした
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