オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
「はぁ……」
安心したのか、体の力が抜けて、ため息が漏れた。
佐々くんは、私を抱きしめたまま、低いよく響く声で言い放つ。
「花美に触ってない奴、見逃してやる…」
耳にじゃなくて、触れてる肌から、直接、振動で伝わってくる。
「顔、覚えてるからな。二度とオレの前に出てくるんじゃねぇぞ…」
二度目の声が響いたとき、
ふわり…
私の周りの重力が消えた。
急に見晴らしが良くなる。
いつもより高い目線の前には、数十人の人だかり。
心配そうな表情は、もう、そこにはなくて、
なんか……
皆さん……
顔…赤くて、
照れた顔で…
見てはいけないものを、見てしまったような、
でも、目が離せない的な…
その……時、
はたっ…と、
ひとりのオンナの子と目が合った。
彼女と私、ふたりして、
「き…」
の、口。
そして、同時に息を吸い……
「「きゃあぁぁぁ~~~~っ!!!!」」
だって、私、お姫様抱っこされてる!?
なに?
なんなのっ!?
このスペシャル級のオンナのコ扱い!!!!
水面に落ちた水滴が、輪になって広がるみたい。
悲鳴の輪が、広がっていく。
「いやあぁぁ~~!佐々くぅ~~ん!!」
「佐々先輩ぃ!!」
「きゃああぁぁぁぁ~~~~~っ!!!!」
は……
恥ずかしすぎるっ!!