オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
花美が、止まらない涙を、何度も何度も手首で拭いてる。
ガキみたいに、ゴシゴシ、こするもんだから、目の回りが真っ赤になってて……
「…う…ぅう…ささ…く…ん、やだ…怖い…」
「……花美…」
「…ささ…く…ぅん」
――あぁ…もう……
「…泣くなよ……わかったから…」
――こんな時まで、なんでそんなにカワイイんだよ……
花美が震えながら両手をオレに伸ばす。
オレは片膝をついて、花美のまえに屈む。
少し頭を下げる。
まるで、花美にかしずくように。
花美の細い腕が、オレの後ろ首にまわると、ヒヤリ……、冷たい感触が小刻みに震えてて、
まるで凍えてるみたいだ。
そのまま花美が、ぎゅぅっと、オレにしがみつく。
オレの体温が花美に移っていく。
抱きしめたオレの腕の中で、花美の震えが止まっていく。
「花美…」
同じ温度になればいいのに……
オレと同じ…に、
同じ気持ちになればいいのに……
――花美…
――オレ、お前のことが…