嘘つきお嬢様は、愛を希う
さっきまで俺たちの誰よりも野蛮にヤツらをぶっ飛ばしていたのに、どうにも桐乃にはその姿を見せたくないらしい。
いつも通りのオネエ野郎に戻って、優しい手つきで桐乃の前髪をはらった。
「きりのんが思っているよりもずっと、みんなあなたを大事に思ってる。あなたが川に飛び込んだって聞いた時は心臓が止まるかと思ったわよ。
……でも、それくらい追い詰められていたあなたに気づけなかったのは、アタシたちの責任ね」
「そ、そんなことなっ……ゴホッゴホッ」
「あぁちょっと話は帰ってからにしよう。早く体を温めなきゃまずい。指先も凍傷になりかけてるから」
抜け目なく矢倉を縛り上げていた風汰が、桐乃が咳き込むのを聞いて慌てて駆け寄ってきた。
言われるがまま桐乃を抱き上げ、俺は天馬に向き直る。