嘘つきお嬢様は、愛を希う


瀬良と呼ばれたその人は「男の手はお断りって言ってるでしょ」と、途端に素っ気なく顔を逸らしながら風汰先輩の手をはらった。


風汰先輩は慣れた様子で瀬良さんをあしらいながら、私を肩にかつぎ上げる人物へ疲れたような目を向ける。



「理月も女の子を扱う時はもう少し丁寧にしなきゃダメだよ。なんなの、それは。お米じゃあるまいし」


「は、こんなの米俵と変わらねえだろ」



なんて失礼な!



「ちょっと降ろしてよっ!」


「うるせえ、落ちたくなかったらじっとしてろチビ。……ったく、とんだ暴れ馬だなお前」


「いったい誰のせいで……っ」



反抗精神で両手足をぶんぶん振り回していたら、さすがに手に余ったのか、先ほどと同じようにソファに放り投げられた。


相変わらず驚くほど吸収性とクッション性を兼ね備えたソファに受け止められるけれど、そんなことに感心してる余裕はない。

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