嘘つきお嬢様は、愛を希う
そりゃこの男については、まだ全然理解出来ない。
それでもこれだけの組織を束ねているとならば、素直に感心するところもあるよね。
「──おいチビ」
なんて思っていたら、またイラッとくる呼び方をされて私は頬をひきつらせた。
「なんですか、総長さん」
「……理月って呼べよ。お前に総長とは呼ばれたくねえ。虫唾が走る」
本当にいちいちうるさいな、この男……。
「はいはい、理月ね。これでいいでしょ」
反抗するのも疲れて素直に応じると、理月は優雅なひとり用ソファから立ち上がってこちらに歩いてきた。
思わず瀬良さんの腕を盾にして構えながら、目の前で立ち止まった理月を見上げる。
「な、なに?」
すると、なにやら不機嫌そうな顔で舌打ちを落とした理月は、無言で私の腕を引いてきた。