海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「海くんは何色がいいの?やっぱり同じグレー??」


マフラー専門店に着いて、わたしたちは何種類も置いてあるマフラーをひとつひとつ見ていく。


「折山さんが、選んで」


海くんはマフラーを観察はしているようだけど、手に取ろうとはしない。


「わ、わたし?」


たしかにマフラー選んでって言われたけど、てっきりわたしは海くんが自分で好きなものを選んで、それを買ってって意味かと...。


てゆか、普通そうじゃないれ!?


「わたし、そんなセンスないよ?」


「いや、あるよ」


そこだけ即答!?


「もし気に入らなかったら遠慮なく言ってね!?」


「いや、気に入るに決まってるよ」


「決まってるの!?」

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