第1章
何、してんだろうね。
男は皆同じもんだと思ってたのに。
彼は違うんだなって思った。
私なんかと出会っちゃって、私は自分の欲を満たすために付き合おうと思った。
でも、彼は心から好きと言ってくれた。私の甘えがいけないんだって分かってるんだ。
でも私は浮気を繰り返した。
バレなければいいと思ってた。
そういう自分に嫌気がさして死にたくなった。
居なくなりたい、消してしまいたい。
でも、私を必要としてくれる事が嬉しかった。必要としてくれることに幸せを感じた。ただ、心に空いた穴を埋めるためだけの甘い言葉にすがってすがってすがって。
壊れた。パーン。飛び散って消えた。あぁ、どんどん無くなっていく。遠のいていく。消えた。でもそこから次第にぶくぶくぶくぶく湧いてくる。湧いて湧いて湧いて、次の居場所を見つけに行く。

いきなり消えた女は次の日にはほかの男に甘い言葉を求めるの。悪い女ほど清楚に見える。ほんとの悪魔は心に大きな穴が空いてるの。でも誰にも見せないし誰にも言わない。だって、誰かにいったら壊れちゃうから。自分の心の奥にも微かにしか残らないように隅に避けて思い出さないようにする。けど、たまにえも言われない恐怖と不安と悲しみに襲われて動けなくなるすがりたくなる。甘えたくなる。暴れたくなる。死にたくなる。別に自分1人くらい死んだって誰も悲しみはしないことを知っているから。悪魔は笑う。そして眠りにつく。次の日には何も無かったかのようにまた日常に戻る。今日はこの男が甘い言葉を吐いてくれるんだって自分の身を委ねる。馬鹿みたいでしょ。知ってる。分かっててしてるんだ。
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