【完】死が二人を分かつまで
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。



(心臓が口から出てきそう……)


一緒にと言い張った來斗を押しのけてお風呂に入った後、私はベットの上で死ぬほど緊張していた。


「無理だ……」


色んなところで、自信が無い。


無理無理無理無理。


恥ずかしい。


四十路近くにもなってと思います?


でも、本当に自信ないの。


「哀華」


悶々と悩んでいると、声をかけられて。


「ひゃい!?」


裏返った声が出てしまった。


「……」


來斗は目を丸くして、


「クッ、クククッ……緊張してる?」


「うっ……」


「可愛いなぁ……」


サラり、と、髪ひと房攫われ、


「大事にするから、俺にくれない?」


そっと、キスを落とされた。


その瞳を見ていると、抗えなくて。


「私なんかでいいのなら……」


……夜はまだまだ、長いです。



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