【完】死が二人を分かつまで
証
恥ずかしながら、來斗と結ばれて……
「証(アカシ)」
授かった、息子。
「母さん」
「來斗からお菓子もらったの。食べない?」
「良いの?」
「勿論!中身はあなたの好きな、こし餡よ」
「マジで?」
目に見てわかるほどに目を輝かせた証は、
「じゃあ、愛斗と愛華も呼んでこねぇと」
と、母屋の方にかけて行った。
來斗と結ばれたのが遅かったから、子供を授かるのも遅かった。
愛斗と愛華の双子は高齢出産になって、來斗をものすごく心配させたけど……
「母さん、お菓子あるの?ー愛華、早く、早く!」
「愛斗、足が早いよ」
ゆっくりと歩いてやってきた愛華は生まれつき、病弱で。
寝たきりが多いけど、愛らしい娘だ。
一人娘だからか、來斗の溺愛っぷりもすごいし。