【完】キミさえいれば、なにもいらない。
「うん。だって先生ともっと仲良くなりたいし、そのためにはアピールしておきたいじゃん?あ、でもあっちのグループの女子たちはみんな、彼方くんにあげようって騒いでたよ。彼方くんもいいよね~」
「へぇ、そうなんだ。さすが……。あの人、うちのクラスでも人気あるんだね」
「そりゃあね。彼方くん、今は彼女いないみたいだからさぁ、狙い目なんだってさ」
「ふーん……」
それを聞いて、別に興味はないけれど、あのモテモテだと噂の彼に、彼女がいないということに少し驚く。
ああいうチャラそうな人でも、彼女がいないことがあるんだな。
うちのお兄ちゃんなんて、彼女が途切れたことないのに。
まぁ、すぐに次ができるんだろうけど……。