【完】キミさえいれば、なにもいらない。
階段の段差に二人並んで腰かけると、彼方くんが二つに折られた順位の紙を、目の前に差し出す。


そして、何度か深呼吸したのち、私の目を見てこう告げた。


「よしっ。今から、結果発表します」


そう言われて、なんだか私までひどく緊張してくる。


「う、うん」


「ヤバい。生きた心地がしねぇ……。たぶん俺、受験の合格発表より緊張してる気がする」


「ウソでしょ。そんなに?」


「うん。マジ」


そんな会話をしながら、彼方くんがそっと紙を開くのを、祈るような気持で見守る。


ドキドキと脈打つ心臓。

すると次の瞬間、その目に飛び込んできたのは……。


〝学年順位100位〟の文字だった。


「えぇぇ~っ!?」


見た瞬間、彼方くんが目をギョッとさせ、大声で叫ぶ。


「ウソッ!」


私も驚きのあまり、大きな声が出る。


すごい。ほんとに100位以内に入っちゃうなんて。


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