【完】キミさえいれば、なにもいらない。

「う、うん……。実は……まぁ」


おそるおそる頷いたら、彼方くんは納得したように言った。


「やっぱり。実はずっと、そうなんじゃないかって思ってた」


「え、ウソッ！なんで……？」


「いや、雪菜の態度見てたらなんとなく」


……やだ。バレてたんだ。


私ったら、そんなに態度に出ちゃってたのかな。


どうしよう……。


「で、でも、もうずっと昔の話だからっ。今はもう全く未練なんてないよ！全然なんとも思ってないからねっ！」


誤解されたら困るので、今は何の未練もないことを必死の表情で訴えると、彼方くんは一瞬目を見開いたあと、クスッと笑う。


「うん、そうだよな。ならよかった。でも、そうはいってもやっぱりちょっとムカつくよなぁ。雪菜のこと傷つけたのかと思うとさ」


「えっ」