【完】キミさえいれば、なにもいらない。
なので、もっと詳しく説明しようと思って、話し始めたらつい、止まらなくなってきてしまって。
「で、でもね、その先がすごく切なくて。しばらく経って、王子が国へ帰ろうとしたある日、行方不明の王子を探しに来た兵士たちが雪山を攻めてくるの。それで山を荒らされると思った妖精の女王が怒って攻撃したら、戦いになってしまって。そのせいで山火事が起きちゃうの。王子は自分は火傷を負いながらもなんとかしてその戦いを終わらせるんけど、火事はどんどんひどくなって、妖精たちも兵士達も命が危なくなって……。そこで、もとから強い魔法の力を持っていたリリスは、自分の持つ力のすべてを使ってその山火事を鎮火させるんだけど、そのせいで最後彼女は消えてしまうの。そこが本当に悲しくて、泣けて……。それで最後に王子が……」
気が付いたらペラペラと一人でその本について熱く語っていて、結局ストーリーをほとんど全部話してしまった。
途中でハッとして、自分の口を片手で抑える私。
やだ、私ったらつい長々と……。何一人で喋ってるんだろう。
しかも、一ノ瀬くんの前でこんな……バカみたいだよ。
「で、でもね、その先がすごく切なくて。しばらく経って、王子が国へ帰ろうとしたある日、行方不明の王子を探しに来た兵士たちが雪山を攻めてくるの。それで山を荒らされると思った妖精の女王が怒って攻撃したら、戦いになってしまって。そのせいで山火事が起きちゃうの。王子は自分は火傷を負いながらもなんとかしてその戦いを終わらせるんけど、火事はどんどんひどくなって、妖精たちも兵士達も命が危なくなって……。そこで、もとから強い魔法の力を持っていたリリスは、自分の持つ力のすべてを使ってその山火事を鎮火させるんだけど、そのせいで最後彼女は消えてしまうの。そこが本当に悲しくて、泣けて……。それで最後に王子が……」
気が付いたらペラペラと一人でその本について熱く語っていて、結局ストーリーをほとんど全部話してしまった。
途中でハッとして、自分の口を片手で抑える私。
やだ、私ったらつい長々と……。何一人で喋ってるんだろう。
しかも、一ノ瀬くんの前でこんな……バカみたいだよ。