3月生まれの恋人〜first christmas〜
それに・・・
俺の予想に間違いなければ



『腹、すごい減ってない?』



多分朝からずっと忙しかったのではないかと思い、聞いてみる



『あ、お昼食べそびれちゃったんで・・かなり・・・』



やっぱりだ


予想どおりの彼女の言葉に、俺は足を止めた


彼女との初デート
思いっきり小洒落た店で見栄を張って、甘い雰囲気に浸りたいのも事実

でもそうすることで自然、発生してしまうであろう待ち時間・・・

一瞬悩んだけど、答えはすぐに出た



『おでん・・・とかでもいい?好き?』



予想外だったであろう俺の提案に、彼女はきょとんと首を傾げるが

次の瞬間、パッと花が咲くような笑顔を見せて



『大好きっ!』



と首を縦に振った

それは多分、見栄をはって、洒落た店を選んでいたら見られなかったかもしれない

特上の笑顔
< 20 / 31 >

この作品をシェア

pagetop