3月生まれの恋人〜first christmas〜
前代未聞のクリスマス会に、本当はもっと叱られるんじゃないかと覚悟してたけど

思ったよりは寛大なお小言で済んだんだと言うと

横から伸びてきた手にくしゃっと頭を撫でられる



『気にすんなよ?

あれはあれで楽しかったじゃん?』



基本的に楽天的な人なのか?
彼にそう言われると本当にたいしたことじゃなかったような気がしてくるから不思議・・・



『拓が君に本気だっつーのもよく解ったけどさ』


独り言みたいに空を見上げて、彼が浮かべる苦笑い



『暫くは内緒だな、あいつには』



繋いだ手に力が加えられ、あたしは彼の心の内を理解する

可愛い可愛い甥っ子なんだよね?拓海くんは。




『ところでさ・・・』



一つ疑問なんだけど・・・



『ケーキってどこで食うわけ?』



手に持ったケーキの箱を持ち上げて、彼がおどけたように訊いてくる



『雪、降ってんだけど?』



ごく小さかった筈の粉雪が、いつの間にか粒の大きさを増して

肩に、髪に舞い降りる



『じゃあ、よかったらうちで・・・』



『はっ?』



どうしてか?
いきなり足を止め、ぽかんと立ち竦む彼


???


なんかおかしなこと言ったかなって、こんどはあたしが首を傾げる



『そんなに散らかってはないと思うんだけど?』
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