君の隣
タイトル未編集
「俺、言おうかな。翔に…」
「えっ…な、にを?」

何をだなんて聞かなくても分かる。未來がもう一人の親友、加賀見翔に想いを伝えようとすることも。こいつが俺じゃなくて翔に対してだなんて分かりきっていることだ。

「いいんじゃねぇの?お前らお似合いだしな!」

あぁ、本当はよくなんてない。俺たち三人はお互いの事はなんでも知っている。親同士仲が良く、大きなイベントや誕生日の時は順番に各家庭で祝福するなんて、今じゃ当たり前で、知らないことなんてこの想いだけなんだ。

「でも…俺嫌われたら、立ち直れそうにない…。」

翔はお前の事嫌う筈がない。何故ならあいつだって未來の事が好きだからだ。一ヶ月前に相談され未來と同じ事を言っていた。いや、俺だって分かっていたはずだ。俺が未來を見つめる熱のこもった視線は翔と未來がお互いを見つめ合う視線だって事ぐらいわかってるはずだ。

「あいつがそんなことで嫌うはずねぇだろ?昔からの付き合いじゃねぇか。」
「そう、だな。もし嫌ったら…一発お見舞いしてやる。」
「ははっ、それもいいかもな!」
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