トラウマの恋


「美容師さんなんですね。
 ここ有名ですよね、
 私も気になってちょうど
 来週予約を入れたところなんです。」

これは本当の話。
口コミや、お店の雰囲気、
ホームページに載っている
スタイルもいい感じだったので
予約を入れたところだった。

「お客様でしたか。
 それはありがとうございます。
 お待ちしております。」

と言いながら紙袋を一つ
私に手渡して、

「それではまた。」

と去って行った。




自宅に着き、紙袋を開けると
そこには有名ブランドの
タオルハンカチが入っていた。

そこまでして頂かなくても、
と思ったが彼の優しさを
有り難く頂くことにした。

気になって美容室のHPを見ると
確かに彼の顔写真が掲載されている。

お店に行ったら
きちんとお礼を言おうと決めた。


< 8 / 50 >

この作品をシェア

pagetop