砂糖よりも甘い君
仕事を終えて帰ろうとすると凛斗様が帰ってきた。


そして何も言わずに私の前に立つ。


「り、凛斗様……?」


「あのさ、なんで沢口と連絡先交換とかしてんの?」


「え……?」


「しかも、俺だけじゃなくて沢口にもクッキーあげるとか。何?アイツイケメンだし、好きにでもなった?」


「ど、どうしてそうなるんです!?」


赤くなってオロオロしていると凛斗様はため息をついた。


「やっぱ紅華を沢口に会わせるの良くなかったか?」


「さ、沢口さん、優しくしてくれましたよ……?」


「確かに俺は沢口に紅華からケーキ受け取るように伝えた。でも、紅華の事だからすぐに帰るだろうと思ってたらいつまでも二人で話してるし。撮影中じゃなかったら乱入してた」


「ど、どうして怒ってるんですか……?」


分からなくて泣きそうになっていると凛斗様が息をついた。


「俺だけが紅華を知ってればいい」


「!?」


まっすぐ目を見つめられてドキドキしてしまう。


そんな、思わせぶりな言葉を言わないで。


王子様は絶対にみすぼらしい女を選んだりしない。


分かってるから、凛斗様をこれ以上好きになっても辛いだけだって……。


意地悪で、残酷な王子様。


凛斗様は私の頬に手を滑らせた。


「沢口との事は、とりあえずは置いといてやる。それよりも、今日差し入れで持って来てくれたガトーショコラ、超美味かった」


「……っ」


「皆も美味いって言いながら食ってたよ。ありがとう」


「よ、良かった……」


「」
< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

Baby's Breath
妃綺麗/著

総文字数/10,866

恋愛(純愛)12ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
人見知りの暗め女子 光希(みつき) 彼女の趣味はアニメやマンガ、ゲームという完全なオタク。 そんな彼女には彼女を理解してくれる優しい彼氏がいる。 コミュ力高めのイケメン男子 愛空(あいく) 自分に自信のない光希は愛空の愛情すらも疑ってしまう。 そんな光希をも愛してくれる愛空に光希のドキドキは毎日最高潮。 「俺は2次元の男より光希の事夢中にさせてみせるから……愛してるよ」 イケメン彼氏に溺愛されるオタク女子。 毎日ドキドキさせられて、光希は耐えられる? .

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop