砂糖よりも甘い君
「頑張ります!ガトーショコラを買ってもらえるように!!」
「うん。よろしくね」
正人さんはお店に入って来たお客さんを見ると笑顔で接客へ向かった。
私にもあんな風に人と話すスキルがあれば正人さんの力により一層なれるのに……。
いじめられた記憶から人と話す時に萎縮してしまう癖がついてしまった。
上手く言葉が出なくて、オドオドしてしまって、泣きたくないのに涙が出てきて、真っ赤になって……。
とにかくダメなのだ。
ため息をつきながら出来上がったケーキを8つに切る。
「こんな美味そうに出来てんのに何が不満なの?」
突然後ろから声が聞こえてビクッとする。
慌てて振り返るとそこには怪訝そうな顔で立っているイケメン。
彼が吉澤凛斗(よしざわりんと)様。
正人さんの息子さんだ。
小さな頃から有名なアイドル事務所に所属していて、2人組のアイドルユニット『honey(はにー)』の一人。
爽やかな好青年で大人気の凛斗様は、テレビでは決して見せない意地悪な表情で近付いてきた。
「なんだよ紅華。声かけただけで真っ赤になって。俺の事好きになった?」
「……っ!?ちち違……っ!!」
「違うの?それはそれで傷つく」
「はっ!!すすすみません!!」
「冗談」
「じょ……っ!?」
泣きそうになりながらワタワタしていると凛斗様は私の頭に手を置いた。
「相変わらず紅華の作るケーキ美味そう。で?何か不満なの?」
「い、いえ……あの……」
「不満ないなら出せば?」
「はい……」
ぎこちなく歩き出す私に笑う凛斗様。
ああ……もう。
その笑顔が心臓に悪いんですよ……っ。
こんな私にも分け隔てなく接してくれる凛斗様を……こんな私が好きになるなんて許されないのに……。
.
「うん。よろしくね」
正人さんはお店に入って来たお客さんを見ると笑顔で接客へ向かった。
私にもあんな風に人と話すスキルがあれば正人さんの力により一層なれるのに……。
いじめられた記憶から人と話す時に萎縮してしまう癖がついてしまった。
上手く言葉が出なくて、オドオドしてしまって、泣きたくないのに涙が出てきて、真っ赤になって……。
とにかくダメなのだ。
ため息をつきながら出来上がったケーキを8つに切る。
「こんな美味そうに出来てんのに何が不満なの?」
突然後ろから声が聞こえてビクッとする。
慌てて振り返るとそこには怪訝そうな顔で立っているイケメン。
彼が吉澤凛斗(よしざわりんと)様。
正人さんの息子さんだ。
小さな頃から有名なアイドル事務所に所属していて、2人組のアイドルユニット『honey(はにー)』の一人。
爽やかな好青年で大人気の凛斗様は、テレビでは決して見せない意地悪な表情で近付いてきた。
「なんだよ紅華。声かけただけで真っ赤になって。俺の事好きになった?」
「……っ!?ちち違……っ!!」
「違うの?それはそれで傷つく」
「はっ!!すすすみません!!」
「冗談」
「じょ……っ!?」
泣きそうになりながらワタワタしていると凛斗様は私の頭に手を置いた。
「相変わらず紅華の作るケーキ美味そう。で?何か不満なの?」
「い、いえ……あの……」
「不満ないなら出せば?」
「はい……」
ぎこちなく歩き出す私に笑う凛斗様。
ああ……もう。
その笑顔が心臓に悪いんですよ……っ。
こんな私にも分け隔てなく接してくれる凛斗様を……こんな私が好きになるなんて許されないのに……。
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