みだらな天使
教室に着くと、数回しか話したことのなかったクラスメイト数人が、私の席にやってきた。




「咲田さん、さっき校門まで送ってもらってた…よね?」




「え、あ…まあ…」




やっぱり見られてたか。




面倒くさいな…と思った、その時。





「超カッコいい彼氏じゃん!うらやましー!」




1人のクラスメイトの言葉に、他の子達もウンウンと頷いた。




「や、彼氏では…」




「スーツ姿だったけど、歳上!?咲田さん美人だから、美男美女で超お似合い!この学校の男子とはレベルが違うね!」



「ほんとほんとー!」




私そっちのけで盛り上がっているみんな。




その中の1人と目が合うと、ニヤリと笑った。





「しかも私、見ちゃったんだよねぇ。咲田さんが別れ際、彼氏とチューしてたの!」




「ちょっ…」




「ウソーー!ヤバーい!ステキ〜!」




…さ、最悪だ。


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