みだらな天使
始業式が終わり携帯を見ると、朔からメールが来ていた。




『今夜、パーティーに参加しないといけなくなった。帰り遅くなる、ごめんな』




一気に気分が沈む。




話したいこと、こんなにもあるのに。



落ち込んだまま、トボトボと校舎を出て歩いていると…




「やっほー、奏ちゃん!」



「七海さん!?」



校門の前で、七海さんが軽やかに手を振っていた。




「ど、どうしたんですか。」




「朔に頼まれたのよ。奏ちゃんが寂しい思いしないように、一緒にいてやってほしいって。」



「朔が…?」




私の心、読みすぎだよ。



朔はどこまでも、私を心配してくれる。



私を理解してくれる。




「…というわけで、行こっか!」




にっこりと微笑む七海さんに、私は首を傾げる。




「行くって…どこに?」




「ま、いーからいーから!」




七海さんの車に乗せられ、目的地がわからないドライブが始まった。



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