恋愛シュミレーション



軽く夕食を食べた後に、洗い物をしてお風呂に入ろうとして鏡を見た時だった。


「嘘っ、マジですか……」


ショックだった……。
だって口の横に米粒付いてるんだもん。まさかあの隣人に付いてるの見られた?確かに夕食の途中だったし、隣人に見られている確率は50%だよね?


見られてない確率も半分。


でも話した時に顔は変わらなかったし見られてないと思うことにしたい。


やはり人前に出るときは鏡くらい見るべきだよね。


沈んだ気持ちでお風呂に入り、明日に備えて寝ることにした。


次の日の朝、私は会社へ行く準備をして家を出た。


かろうじて隣人には合わずに住んだから良かった。


私は大手電気メーカーの工場で働いている。
本社は東京にあるが、福岡の田舎の工場を希望した。普通なら田舎から都会の大学行ってとか就職は都会でなんて憧れるんだろうけど、私は真逆だった。


人であふれかえった都会より、田舎の工場は理想だった。開発の仕事をしているんだけど、福岡の工場は電化製品だけでなく、車メーカーなどから注文がきたりと特殊な仕事があり、私は特殊部門の開発で黙々と仕事をしている。


パソコンとにらめっこしたり、時には製造、時には作業着に見を纏い、宇宙服のように目元しかださないような格好をしてクリーンルームに入っては顕微鏡で細いメッシュなどにゴミがないか確認したりしている。


女性が結構いるので仕事はしやすいんだけど、開発の中は男性ばっかりで、パソコンするより製造やクリーンルームで黙々と仕事するのが好きだ。


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