輝きに満ちた世界で


パシャ パシャ パシャ



何度かシャッター音が聞こえた。
カメラマンが撮った写真を確認した。



「はい、撮影始めようか。
最初、そこのセットの柱にもたれて目線ちょうだい。」



私の背後に作られたまるでお洒落なアパートの廊下のようなセットを指さすカメラマン。



私は言われた通りに柱にもたれてカメラに顔を向けた。



「ん、いいね〜!次笑顔で行ってみよー。」



私は言われて笑顔を作ろうとした。



少し口角をあげた瞬間、私は笑顔が作れなくなった。
私を見ていたスタジオ中のスタッフがざわざわする。



そんなスタジオを戸惑いながら見回す。
姉ちゃんがこちらを心配そうにみている。



どうすればいいの?



どんな気持ちで笑えばいいの?
本当に笑わなきゃいけないの?



それとも…取り繕ってもいいの?



頭の中で声が響きわたる。

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