輝きに満ちた世界で


私は結城が恋人であることを考えて何をしようかと思った。



結城との距離、およそ5センチ。
私はその5センチをなくすように身を乗り出した。



こつんとおでこ同士がぶつかる。
鼻と鼻が触れ合う近さ、その中で私は少し笑いを見せると結城も笑う。



ちょっとそれが悔しくて少しふざけてみてもいいかな、と思いしばらくしたあとに距離を離して結城の目を私の両手で隠してみた。



少し驚いているのが面白くて笑っていた。



「ねね、前向いて。」



私はそう言って結城に前を向かせる。
そして私はまた自分から結城の脚の間に座る。



そして結城の手を掴み、私のお腹の辺りに腕を回させた。



「やるじゃんか。」



結城が後ろでそう呟いた。
私は少し誇らしく思った。



「でも、もう一声だね。」



そんな声と共に私のお腹の辺りにあった手はなくなり後ろから抱きついてきた。



私は恥ずかしさを紛らわせるように笑顔を作った。

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