復活!みちのく助産院だより。~私達、大人になりました~
しばこ
その日の夜

疲れた体をやすめるため床についた。

うつらうつらしていると、どこからともなく

「ピョコタン、ピョコタン」

と、暗い渡り廊下を誰かが通る足音が聞こえはじめた。

「奴だ」

そう思った瞬間!

「貴様か!」

と、怒鳴り始めた。
赤いおべべを着たしばこは、あだしを睨み付け

「このふとどきものめ!」

あだしは何のことだかわからない。それでもあだしは、床についたまま。あだしは慣れていた。あだしを訪問するお客達は、皆狂っている。
何のことはない。このしばこ、暇さえあれば気が狂う。

静寂を取り戻した午前2時。いつしかしばこは気を落ち着かせ、廃墟と化した助産院をあとにした。
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