復活!みちのく助産院だより。~私達、大人になりました~
ポテチ大王
誰もが愛する塩味ポテト。あだしはたまらなくなり買い占めた時もあった。
ある時、廃墟と化した助産院に一人の女が立ち寄った。
「何してんの~?」そんなのあだしの勝手じゃない。
そう思いながら、お客だし何か飲み物を出そうと、あだしはキッチンへ。皆さんもおわかりだと思うが、あだしは困った時はハーブティーしか出さない。しかもジャスミンティー。ジャスミンティーを作り、お盆に乗せ、お客がいるリビングに向かった。
リビングに入るとあだしは目の前の光景にあ然とし、ジャスミンティーをこぼしてしまった。
リビング中、塩味ポテトだらけ。しかも、丸まってる塩味ポテトだらけ。
女は言った。
「あだし、こーゆーの好き」
訳が分からない。何故ここで、これほどまでの塩味ポテトをぶっ放したのか。
女の額には「大王」と書かれていた。
あだしは
「これが、ポテチ大王?」
と、思った。めったにお目にかかることができない。
あだしは感激のあまり、左目から一筋の涙が頬についたった。女は「ごめ~ん」と、悪びれた様子もなく帰って行った。残されたあだしと大量の塩味ポテト。
ミスあけみに連絡したら食べるとのこと。あだし達は夜が明けるまでポテチパーティーを催した。
< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop